2018年6月27日 (水) 10:41
最近は注意喚起の記事ばかりになってしまっていますが、
今回も気になった症例のご報告です。
「最初のうちは順調に
肩（肩甲骨）の可動域が増していましたが、
次第に可動域が減っていき
肩に痛みも出てきました。」
ある程度の経過を知っていて
アドバイスもしていたのですが、
可動域が増す誘惑に勝てなかったそうです。
当初の目的は、
『肩甲骨の可動域を増やす事』
肩甲胸郭関節と呼ばれる、
【肩甲骨と体幹部の関節】を指します。
（写真の青い部分です）
この関節は自由関節と呼ばれ、
肩甲骨と鎖骨が胸部で関節（写真の黄色い部分）しているだけで、
それ以外は筋肉で体幹に固定されています。
さてこの肩甲胸郭関節、
程度にもよりますが
ある程度の段階までは
わりと動くようになります。
そしてその後
停滞期が続きます。
ここから抜け出るためにはちょっとした
コツやきっかけが必要となります。
この停滞期にムチャをしてやってしまうのが、
【肩甲上腕関節の可動域を出す。】
（写真の赤い部分）
【肩甲上腕関節】＋【肩甲胸郭関節】の動きで
肩の可動域は飛躍的に増します。
増したように見えます。
しかしながら、
すでに肩甲骨の可動域を引き出した時点で、
肩甲上腕関節の可動域は最大限に引き出されていたはずです。
新たに手に入れたのは
『肩甲上腕関節の不安定性です』
けっして良い状態ではありません。
これはまた別の機会にお話ししますが、
末梢（カラダから遠い）での不安定性は
中枢（カラダに近い）の過度な安定性を作り出します。
ようは硬くなるって事です。
本来やらなければならなかったのは、
『肩（肩甲上腕関節）の安定性を維持する事』
これは他の関節でも似た様な事が言えますが、
特に肩関節は
【関節の安定性を筋肉に依存する】ため
筋肉の強化を同時にする事が重要になります。
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